[ガラケー]機械音痴の人にスマホやPCのことを教える際のコツと、傾向の考察

2017年3月11日

携帯電話ショップ店員が「ガラケー復活」を希望する理由とは

“「これだけ使いこなせない人がいるのだったら、いっそのこと逆にガラケーが復活したほうがよいのでは? とも思います」”

…結局、自分の教えるのが下手なのをスマホのせいにしているだけじゃなかろうか、と思ったり。

僕はITの何でも屋のようなことをやっています。
なので、スマホやPCについてのアドバイスや、講師を依頼されたりすることも多いです。

総じて、
「Androidって何?スマホって何?OSって何?SNSって何?検索エンジンって何?」
…等々、専門用語や仕組みを知らない人たちが本当に多いのです。

そして何より、スマホ(を含めたコンピュータ)の仕組みを理解していない方が多いです。これは、案外「使いこなしている」と思い込んでいる層も当てはまるんじゃないかなと思います。

…まぁ、例えばヤ○ダ電気の販売員さんとか、携帯ショップの店員さんなんかも、スペック上のデータや評判程度しか解らないでしょう。
ですから、それ以上の事はマニュアルで理解するしか無いのです。

…しかし、マニュアル自体、ある程度のリテラシーがあることが前提で書かれているので、リテラシーを放棄した層に説明する事は困難を極めます。

「私には無理だと思っていました。でも、皆簡単だって言うし、安いから」

こんな安易な理由で、それまで触れようともしなかった層が流入してくるのですから、マニュアルしか頼りようが無い店員さん方にとってはたまったものではありません。

対して、ユーザの方も、「やっぱり自分には無理だった!」と、
折角高いお金出したのに、放置し出してしまう。
しまいには、スマホを解約して、ガラケーに逆戻りしようとすらしてしまう方もいらっしゃるようです。

…まぁ、悪循環ですよね。

なので、この辺で、スマホVSガラケー論争に終止符を打つべきだと考えます。

タッチパネルがどうだとか、ハードキーがどうだとか、無駄な物が多い、少ないだとか。
はっきり言ってしまえば、どうでも良いからです。
何のためにスマホというものが出てきたのかということを考えてもらいたいのです。

ガラケーができることとできないこと、一番の違いは何でしょうか?

タッチパネル?いえ、タッチパネル付きのガラケーは昔からありました。
ハードキー?いえ、ハードキー付きのスマホもありました(すぐ廃れたけど)。
無駄なアプリ?いえ、むしろガラケー時代の方が余計なアプリは多いかも。

…では、何でしょうか?

やはりそれは、「ネット>電話」となっていることに尽きます。
つまり、「電話ができる超ミニPC」がスマホの本質だと言う事です。
(iPod+MacOS+電話=iPhoneという出自の意味を考えてください)

ですから、電話だけが必要な人にとってはスマホは無用の長物になってしまうかも知れませんし、ノートPCの方が効率的だと考えるかも知れません。…ですが、例えばプリンタやスキャナのハイブリットが複合機となりデファクトスタンダード化し、前者二つの種が絶滅しかけているように、同じ理由で、スマホが同じようになっても問題無いように思えます。

さて、では、今一度、スマホが嫌厭される理由を考えてみましょう。

その一つは、(もちろん)月々の価格設定です。
i-modeをほんの少しだけ使用するのと、
スマホで定額にするのとでは、実に3千円以上の開きがあります。
また、通話料も、全体的に高いです(ガラケーと比べると)。

…ただしこれはキャリア側の都合なので、直接的には、「スマートフォン」とは無関係でしょう。

しだがって問題となってくるのは、二つめの、ガラケーになかった「新機能」だと言えるかも知れません。
例えばガラスマの場合、出来る限りガラケーに近づけようとしているため一見見落としがちになるのですが、画面遷移やアプリの起動等の点、「クラウド・同期」等の設定がデフォルトになっている点等、それらがやはり決定的に違っているのです。

そしてそこが「スマートフォンをスマートフォンたらしてめている」わけです。

要は、Google(Apple)が関与した新たな部分というところが問題な訳ですね。さらに、それらの仕様(アプリ等)は大抵(米国の会社らしい)長々とした「利用規約」と「直感頼り」の操作画面が関与しています。そこには、「ユーザの(機械への)恐怖心」という(日本人にとっては)ごくごく当たり前の感情が考慮されていません。

したがって、機械音痴を称する方々の殆どは、
「○○のようなことしたら▲▲のようなことになってしまうんじゃないか。」
というような、ネガティブな感情を必要以上に持つようです。

その結果、旦那さんや娘・息子等に手厳しく「ぷっ、お母さん、馬鹿じゃん?」と小馬鹿にされ、「ちょっと貸して!」と、せっかくの成長の機会を摘まれてしまう上に、機械への悪感情が増してしまう。…いやぁスパイラルですよね、ほんと。(…まぁ米国等ではまずない現象と言えるでしょう。自己契約の社会ですし)

閑話休題。

結局、彼らの悪感情を取り去るには、

まず第一に、「月々6千円を払ってでも、スマホを使いこなす価値」、
そして第二に、「スマホに慣れてもらう為の道筋」を提示するしかありません。

これは、PCやシステムを教える時でも同じです。
安くとも5万円以上はするPCに、それを買うだけの価値を見いだしてもらう為には、買うに値する理由と、慣れる為の道筋を提示して上げなければなりません。

例えば、単に「バックアップとは〜」と説明しても客は納得してはくれません。
…と、言うより、理解してくれようとしません。

むしろ、バックアップをする事の意義を、実例や事例を使って解説した方が手っ取り早いです。その上で、「…これらのことをバックアップ言います。そしてやり方は〜」と言った方が、初心者に取っては解り易いです。その上で、バックアップの説明をしてやれば良いのです。

結局のところ、「意味」が解らないから「自分には関係がない」と思うのです。
だから覚えようとしない。若しくは関わろうとしないのです。
でも、だったら、必要であるということを無理矢理にでも認識してもらえば良い。
そうすれば、相手は必死になるので、興味を持ってくれるはずです。

…値段が安くならないのなら、価値を提示してあげれば良い。至極簡単なことですが、これが中々に難しいんですよね…。個人的には、同じ形のものばかりになるのはちとつまらないので、変態スマホとか、ガラケー型のスマホとか、昔あったハードキー付きのスマホとかがあっても良いと思うんですけどねぇ。…まぁ、のっぺらであれば、アクセサリで何とかせいってことなんでしょうか…。

<余談>

個人的な意見ですが、レガシーテクノロジ(枯れた技術)は素晴らしいです。
バグは少ないですし、割とキビキビ動きます。
スペースシャトル、なんて言うのは有名な例でしょう。
もう何十年も前の技術が使われていますが、枯れているので、無駄が一切ありません。
(枯れた技術とは、IT業界最高クラスの褒め言葉です)

けれども、そこに甘んじていて言い訳ではありません。
少しずつではありますが、けれど、成長しているのです。
確かにスマホは必要なものではありません。
必ずしもユーザに幸せをもたらすものでもないでしょう。

しかし、それはガラケーだって同じなはずです。
メールが使えなかったからと言って、人は死ぬでしょうか。
電話が通じなかったからと言って、それで人は苦しむでしょうか。
(事故時とか、へりくつ抜きの方向で…)

案外と、携帯電話やインターネットが死滅した世界の方が平和かも知れません。

だけれども、今や携帯は必需品に近いものになっていますし、スマホもかなり普及してきました。いや、むしろ、7インチタブレットを最近みかけるようになりました。iPad miniが出た時はこぞって馬鹿にしていたものですけどね。しかし、漸く、若者を中心にデジタルな世界に近づいてきました。

…だからこそ、頭ごなしに「スマホなんていらね」、「タブレットなんていらね」なんて言わないで欲しいのです。そうした一言一言が、技術者や経営者のやる気や熱意を削ぎ、日の丸家電が没落して行った原因の本質を作った事を、今一度理解するべきです。日本を潰したのは、そうした慢心にも似た、飢餓感の無さだということを、今こそ知るべきです。
(「Stay Hungry. Stay Foolish.」というジョブズの言葉を思い出してください)

スマホが開発されたのであれば、それが「必要かどうか」ではなく、「面白いかどうか、興味深いかどうか」で、判断して欲しいと思います。結局それが、デジタルデバイドを克服する為のコツだとも考えるのです。興味を持てば、勉強するでしょうし、欲しくもなるでしょう。

…結局の所、日本人の悪い所は、最終的に、「周りが持っているから買う」「持っていないから、買わない」と、判断するところなのでしょうねぇ。

…個人的には、
「自分で商品をよく観て、自分の力だけで決めなさい」
と、思うのですが…。


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