[W-CDMA] CS(Circuit Switched) とPS(Packet Switched) の違い

はじめに

※この記事を実際に編集したのは、2011年の春頃です。情報やリンクが、やや古い可能性があります。

Skype、Viber、どちらもデータ(パケット)を使った音声通信(VoIP)です。

とりわけ、Viber は3.11の大震災時にiPhone 等で大活躍したことで知られています。
(その理由は後述しますが)

VoIPはパケット交換(PS)を用いる事で音声通話ができ、データ定額制である限り、
無料(厳密には違うが)で無限に会話することができます。
反面、双方にアプリを入れなければいけなかったり、
設定(といっても非常に簡単なものだが)が面倒くさかったりするのが難ですが。

でも、導入していないなら、検討してみるのも良いかも知れません。
今回はそのための記事です。

いえ、Android にViber 入れてみたんですが、
誰も入れてないみたいなんで。

CSとPS

さて。
通常、データ通信はCS と PS とに分かれており、全く質が異なるものです。

特に従来からあるCS (Circuit Switched)が特殊で、
音声品質を常に保つ事ができるように様々な技術が用いられております。
これがいわゆる「ダイバーシチ」のことで
http://www.ntt-review.jp/yougo/word.php?word_id=3637

音声データをいくつも分割し、最終的に統合することで、
極限までノイズ消去や音質品質を上げることを可能としています。
(その分若干のディレイがあるわけですが)
通信そのものの技術としては、ラジオ(無線)の技術を用いており、
電話=ラジオと同じ、と考えてもらって構いません。
ラジオと違うのはCS(回線交換)を行っていることだけ。
データ形式はアナログ(波系)です(厳密にはデジタルですが)。

一方PS はインターネットと同じです。データを全て数字で置き換えてパケット(小包)として伝送します。
(※当然、データ形式はデジタル形式(0と1の羅列)です)
データが0と1の集まりのため、大容量のデータを伝送するのに向いています。

PSを用いて音声呼を行う際は、マイクによって入力された音声データをデジタルに変換し、そのまま伝送します。
CS呼のようにノイズの消去等が行われないため、通話品質はあまりよくありません。
あくまで情報伝達用と考えましょう。


column:
以前の端末(スマホではない)は、常にはPS通信を行っておらず、
メールを送る、あるいはブラウザを用いてi-mode(等)を用いる時等に、
逐一PS通信のON/OFFを行っていました。
これをActivate をするとか、Deactivate をするといいます。
しかしスマートフォンの場合、PS を切断せず、常に貼りっ放しなため、
電力消費量、及び通信料が異常になりがちです。
(当然パネルの大きさも多少は関係しているでしょうが、大部分はこれが理由です)。
そのため、最近の省電力が進んだ端末では、画面ON時にActivate を行う事も多いようです。
これはメールの着信ができず、
GoogleMail等リアルタイム性が求められるアプリが”使えない”要因の一つとなっています。

携帯電話(ソフトバンク)の例で解り易く分けると、以下のような感じです。
(僕がiPhoneユーザなので)

電話をする→CS
TV電話をする→CS
S!メールを送る→PS
SMSを送る→CS
ブラウザを用いてインターネットを行う→PS
デザリングを行う→PS

大体こんな感じです。また、現在では滅多に使われる事はないですが、
UDIは昔存在したISDNや、ダイヤルアップ接続 と同じ方式で、
CS を用いてインターネット通信を行っています。
(今でもスマホ以外の端末なら殆どができます。まぁ、そんな奇人は中々いないでしょうが。
→ちなみに、TV電話はこのUDI(音声+データ(動画))を用いたシステムです。
したがって、大部分のスマホはTV電話機能が使えません(UDI非対応のため)。
なお、iPhone のFaceTimeがWi-Fi環境下でしか使えないのも同じ理由です。

cf:Bitrate(理論値であって、実際には半分も出ないことが多い。特にHSDPAより下)

UDI:64Kbps
R99:64Kbps~384Kbps
HSDPA:7Mbps~14Mbps
LTE:37.5Mbps~75Mbps
WiMAX:40Mbps

以下、参考資料
(UDI) http://www.ntt-east.co.jp/ISDN/tech/spec/3.5pdf/3-f20.pdf(リンク切れ)
(R99) http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0403/03/news003.html
(LTE/WiMAX) http://smarter-jp.net/newsetc/23786/
(HSPA/wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/HSPA

普段、我々が使っているのはHSPAですね。
最近の最速だと、HSDPA Category: 10 (14Mbps)、HSUPA Category: 6 (5.7Mbps)。
まー、softbank だと、まだまだその前段階の HSDPA:8(7M)、HSUPA:5(2M)が主流。

実際の速度はどうか?

ぶっちゃけネットワークが悪すぎて、
いくらBitrate の最高速度を上げようが、平均3Mを超えません。
だから、字面だけ凄くても、実際にはあまり意味が無かったり。

とはいえ、この電波事情も徐々に改善の兆しを見せております。
これまでTVに使用してきた電波について、通信各社が使用権を買い漁ってますからね。
始めのうちはぶちぶち切れまくるでしょうが(端末の方が適応できないため、Attach した瞬間 Reject されたりする)そのうち改善されるでしょう(2013年3月23日現在、改善されてきました)。
そうなれば、恐らくは、softbank もいよいよ三流から二流ぐらいの通信会社にランクアップできることでしょう(現状、docomo が潜在的に一流、au が二流です)。
(参考サイト:http://sierblog.com/archives/1538519.html)

震災時に電話は繋がらなかったけど、VoIP を用いれば繋がった。こんな状況がよくありました。
それはCS呼 に規制がかけられており、なおかつ、PS呼に規制がかけられていなかったからです。
(参考:http://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/tech/main/core_network/vol14_4_41jp.pdf

大体こんな感じ

CS_domain
0.domain
1.domain
2.not domain
3.domain

PS_domain
0.domain
1.not domain
2.domain
3.not domain

規制がかかり、それぞれのSIM(電池のところに差さっているデータカード)に、設定されているアクセスクラス(上でいう番号)に対して規制がかけられると、その規制が解除されるまで電話をかけることができなくなります(着信する事はできます)。
震災時にかけることができたりできなかったりしたのはこのためで、規制エリアは、大体5分~10分おきにローテーションします。

Column:
ちなみにCS/PS domain (上の例だと”0″が該当)の状態で電波OFF/ONすると、
規制が解除される(あるいは解除されているCell or 周波数に移動する)まで、位置登録(Attach) できません。
有り体に言うと、圏外表示、もしくはアンテナ0本表示になります。
実は、Attach 時にCSか、PSか、あるいはその両方(CS/PS Attach) を行わなければいけないのですが、
CS/PS 規制(domain) をかけられていると、3パターン全てのAttach ができないんですね。
したがって、電源を入れても圏外のままです。なお、CS Attach 時には音声呼、及びSMS しか、
PS Attach 時にはPS 呼(メールとかブラウジングとか)しかできません。
つまり、通常はCS/PS Attach を行っている、ということです。
また、片方しかAttach しておらず、規制が解除された場合、もう片方(Attach できていない方)のAttach を行う事で、最終的にはCS/PS Attach となります。

したがって、↑の例だと、1、3 に該当するSIM を差している人は、PS での通話、つまりVoIP が使用できましたし、また同じように、2番に該当するSIM を差している人はCS での音声通話ができました。

主に、このアクセスクラス規制がかけられるのはお正月のあけおめメール時などですが、
(基地局へのアクセスが集中するため)
この際は、CS/PS共に規制がかけられています。
また移動したりすると、突然通信が可能になったりするのは、各基地局にかけられているアクセスクラス違うためで、Attach している基地局が切り替わる(Location or Routing Area Update) ことで生じます。

一方、電話の回線は全てNTT に握られていますから、相手側(被災地)の方で回線を閉じられると、当然、「ただいま混み合っております」、といういつものアレが聴けるわけですが、インターネット回線が閉じられている、というケースはまずありません。例え時間がかかっても最終的には繋がるケースが多かったのはこのためです。
(※基地局の電源が落ちているでも無い限り、回線が詰まる事はあっても、閉じられることはありません)

震災で一気に広まったViber

Skype は皆さんご存知でしょうから、紹介は省きますが、
Viber はより簡単なアプリで、僕自身、愛用しています。
マーケットから無料でDLしてきて、インストール。
その後、セットアップ画面で自分の電話番号を登録すると、SMS が送られてきます。
SMS に書かれた4桁(俺の時はそうだった)のパスをアプリにて打ち込めば、登録終了です。
以後、Viber 同士の通話が完全定額内に収まります
(僕の場合、それさえもWi-Fi を使って無料にしていますが)。
当然、CS のようなダイバーシチ(音声品質向上のためのシステム)が無いのが難ですが、
長時間電話する際等には欠かせません。
まぁ、また震災のようなできごとが無いとも限りませんし、
導入しておくのにこしたことはありません。
スマホなら誰でも導入できるので、是非是非お試しあれ。

(参考)
http://jp.techcrunch.com/archives/20101202viber-iphone/

LTE Advanced: 3GPP Solution for IMT-Advanced
(…LTE関連の本、どなたか日本語訳で誰か出してくれないですかねぇ…)


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