[LGAT] 速読とフォトリーディング

最近、速読について人からよく訊かれるのですが、速読とフォトリーディングを混同している人が多いようです。

結論を先に述べてしまえば、「速読=フォトリーディング」とは言えません。
フォトリーディングは、速読、及び暗記等の一つの技法(テクニック)にすぎないからです。

そもそもフォトリーディングとは、本を実際に読む前に本を俯瞰的に見て(読んではいない)無意識の領域に映像として落とし込む行為、及びその前後の一連の流れを言います。

具体的には以下の5つの段階によります。

①準備(1分以内)
②予習(3分程度)
③フォトリーディング(5分~10分程度)
④質問作り(5分~10分程度)
⑤アクティブリーディング(15分~90分程度)

①「準備」では、本を読む「目的」を決めます。本の内容に対して積極的な興味を持てるようなものでなくてはいけません。
 cf.得たい情報、楽しみ方、情報を得た事で得られる効果等
具体的な動機付けを持って「読みたい>読みたくない」の状態にならなくてはいけません。
※少なくとも9:1ぐらいの割合になっている必要があるでしょう。

②「予習」では、本の中身について予め調査し、インデックス(目録)を付けます。
イメージ的には、ホームページにおけるサイトマップを頭の中で作る感じです。
具体的な方法としては、「表紙+作者紹介+目次+序文(及び使い方)+あとがき+裏表紙」に目を通します。中でもとりわけ重要なのは「目次」です。目次を暗記することでインデックスを容易に作成できます。
 ※目次が無いもの(小説等に多い)に関しては、作者のあとがきや紹介だけでもいいでしょう。

③「フォトリーディング」では実際に本の内容を俯瞰して観ます(読みません)。
実際にこれを行う前に、集中力を高めておく必要があります。雑念のない「知識吸収待機状態」になる必要があるのです。
方法はいくつかありますが、一番手っ取り早いのは「深呼吸+瞑想」です。
「静かな部屋」にて、「身体の負担の無い状態・体勢」で、「目を閉じ」、「丹田に意識を集中しつつ深呼吸をします」。
何となく身体が軽くなったり、目を閉じているのに突然明るくなったり、といった感覚があれば成功です。
 ※他には、「熱い風呂に入って疲労している状態」も擬似的に「知識吸収待機状態」を作りだす事ができます。…が、この状態で本を読んだりすると風邪を惹く可能性が高いので要注意です。

なお、フォトリーディングそのもののやり方は非常に簡単です。
1.何か一点を見つめます。具体的なモノ、あるいは指等が良いでしょう。
2.その一点と自分の間に本を持ってきます(遮る感じ)。
3.「字がぼやけて絶対に読む事ができない、かつ本全体を眺めることができる」ことが確認できれば、フォーカス成功です。
 ※フォーカス後は、絶対に字を読もうとしてはいけません。ちょっとしたことで集中力が切れてしまったり、フォトフォーカス状態が解除されてしまうことがあるからです。解除されたら、再び1~3を実行しましょう。
 ※また、読み始める前と後に、「おまじない」として「①準備」の時に考えた目的を達成する事、した事を宣言します。暗示のようなものですが、これを何回か繰り返すとその目的達成に対して脳の働きを活性化させることができます。

④「質問作り」では、本の内容に対して「特に理解したい内容に見当を付け」ます。
以下のような順番で行います。
1.本をパラパラと捲りながら「太字」、「見出し」「絵図」に着目していきます。
 ※教科書等の質問づくりには時間がかかります。しかしだらだらやっても意味は無いので次々に捲っていきましょう。
 なお、この段階で太字等の意味を理解しようとする必要は一切ありません。
2.およそ20ページ毎に捲っていき、捲ったページの太字等の中で最も気になった「単語」をメモします。
 ※これを「トリガーワード」と言います。その単語を元に本の内容に見当、及びインデックスを作って行くからです。
 なお、見当やインデックスは脳が勝手にやってくれるので、本人が意識する必要は全くありません。
3.「トリガーワード」を元に「具体的な質問を3つ程度」作成します。
また、①~④(準備から質問作り)までの行程を行った後は時間を置きます。
 ※最低でも5分。難しい内容ならば1時間以上は空けましょう。なお、1日以上置いてはいけません。その場合、③を⑤の5分以上前に改めて行ってください。

<ここまで大体15~20分。難しいものでも30分程度です>

⑤「アクティブリーディング」では、その名の通り「積極的に理解」するよう努めます。
具体的には、「パートリーディング」と「ハイスピードリーディング」の何れかの方法を用います。
※なお、実際に読む前に、③で行った方法等によって「知識吸収待機状態」にする必要があります。
1.「パートリーディング」では、本における文章の中心点(頁の中間部分付近)に指を置き一定のスピードで動かして行きます。そしてその指の動きに合わせて目線も動かしていくのです。ほっておくと読むスピードが失速してしまうので、補助としての指による視線操作を行います。なお、意味が正確に理解できなければ意味が無いのできちんと理解できているか常に意識しながら行いましょう。一部できない部分がある場合、随時「ハイスピードリーディング」を併用します。
2.「ハイスピードリーディング」はその名の通り、一言一句正確に、かつ速く読みます。ただし、速度が落ちてしまっては普通の読書と変わらないので、必要に応じて「指による視線の操作」を用いるとよいでしょう。1と違うのは文章の文章の中心部分ではなく、自分の読んでいる部分に正確に押しあてていくことです。1よりも速度は劣りますが一言一句読むので意味を正確に理解できます。

■まとめとして
さて、3と5の行動の意味ですが、まず、3によって、無意識下の領域に落とし込んだ本の内容を、5によって意識化に移しています。つまり、5を行う迄所詮忘却していたものなのですが、5の行動によって「ああ、そういうこともあったね」として「思い出しているのです」。これを「意味付け」と言います。インプットを効率的なものとしているのです。
また、2や4の行動を通してインデックス化されるため目次とトリガーワードを元に脳内にサイトマップが作成されています。
したがって、必要な情報を取り出したい時に、インデックス、あるいはトリガーワードにアクセスすることによって、思い出し易くなっています。つまり、アウトプットが容易になります。

しかし、これが速読か、と問われれば頭を捻らざるをえません。
むしろ効率的な読書術、あるいは記憶術と言えるでしょう。

フォトリーディングを行った後でアクティブリーディングを行うことは、本を2度読んでいることと効率的には同じことです。
そして目的設定、インデックス化、質問作り等をすることで、本に対して漠然と読むよりも要点に的を絞った読書が可能です。

反面、単純に本を読む速度は実際に本を読むスピードと比べてもそこまで差が出る訳ではありませんし、
要点が多い本では相対的に理解する速度(読む速度)が落ちます。また、正確に手順を踏まなければこれらの効果は得られません。

以上のような点から、
(自己啓発的な方法によって)自己の能力を上げる速読法、及び記憶術とは種類が異なる、一つの「技法」と言えるでしょう。



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